「なごみの湯」で歌う想いでのうた

ある患者様の入浴介助中に「わたし歌が好きなの。元気な頃はよく歌いに行きよったんよ。」とゆっくりと話し始めました。

お話を聞きながら患者様が湯船で一息ついている際に、私から炭坑節を歌いました。
すると患者様も目を閉じて聞いたり、一緒に歌うことができました。
他にもわたしが知っている童謡や昭和歌謡を歌うと表情が和らぎ、穏やかな時間となりました。

そして数日後、わたしにまた歌ってほしいと希望していることを聞き、患者様のお部屋に向かいました。
すると患者様は少しさみしそうな表情で「わたしはもう死ぬの。また、あなたに歌ってほしいの。」と自ら炭坑節を小さな声で歌い始めました。
続けて青い山脈や籠の鳥、戦友など数曲を一緒に歌い終わると「ありがとう。良かった。」とニコッと笑うと少し活気を取り戻し、その日のお昼ごはんのそうめんをいつもより多く食べることができました。

昔から歌うことが好きで歌いに行っていた頃を思い出し、あのお風呂の時間は患者様にとって心地よく、懐かしい気持ちになれたのかもしれません。
昔から好きなことや思い出をとても生きいきとお話しされる患者様をみると、私達も喜びを感じます。

患者様との日常会話で希望を知り、出来ることであれば提供し、少しでも穏やかな日々が過ごせるように今後も努力していきたいと思います

緩和ケア病棟看護師 丸山

(写真は緩和ケア病棟にある寝たまま入れる浴槽「なごみの湯」です)

2021年10月
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