当院は、食欲のない方に食べ物パーティーをよく行います。
こんな時、いつもは数口しか食べられなかった方が驚くほどよく食べていただけます。
先日、ひとりの患者様のために九州ラーメンが作られました。
九州から好きなラーメンを送ってもらったという話をご家族から聞いた主治医の「作ってあげてよ」というひとことで、ラーメンが湯がかれ、卵をチンしてできた半熟目玉焼き風と病院食に出ていたもやしがトッピングされ、とってもおいしそうなラーメンが出来上がりました。
おいしそうな見た目と豚骨スープの臭いとアツアツの湯気に、患者様は泣きそうな表情で「おいしい」と喜んでいただけました。
昨日は、寸胴にたくさんのカレーが作られ、デイルームで食事をされた患者様に振る舞われました。
カレーの匂いに食欲がそそられ、病院食にちょっとカレーが乗っただけでぐんぐん食べていただけました。
嚥下困難があって通常の食事が食べられない患者様は、完成したカレーを食養科の協力でソフト食にするまで少し時間を要するのですが、匂いにつられて催促をしておられました。
食べ物パーティのメリットは、なんといっても待っている間においしそうな匂いがどんどん広がること、出来立ての湯気にいつもの病院食とは違う見た目と味が患者様の食欲をそそることです。
そして患者様の喜んでいただける顔を想像しながら、楽しそうに作る看護師の表情や愛情もトッピングされ、効果は倍増していると思います。
そして期待通りの患者様の表情と声に、「またやろう」という看護師のエネルギーに変換されるわけです。
しかしやはり多忙な業務の中、食べ物パーティは毎日というわけにはいきません。
NSTが科学的に患者様の栄養を補うために、様々な栄養補助食品や個別の嗜好を考えていただけてるからこそ、たまに行う食べ物パーティのスパイスが効くのだと思います。
食はすべての基本。これからも食べていただくためにできる援助を考えていきます。