模擬患者による研修

キャリアアップ

昨年秋から開催されている模擬患者による「悪い知らせを受けた患者とのコミュニケーション」研修。

今週も看護師2名が研修を受けました。

設定は、医師から「肺がんで予後が悪いタイプです。治療は…」と説明を受けた直後に看護師が患者に話を聞く場面から始まります。

患者役の模擬患者さんは、役になりきって辛い心情や質問を看護師にぶつけます。

その後ビデオ撮影したものを再生して振り返りを行い、観察者や当事者の感想交流の後にファシリテーターがアドバイスを伝えます。

面接内容は深刻な内容なので、模擬患者さんはとても疲れます。

それでも「模擬患者をすると勉強になる」「かしこい患者になりたい」「看護師の研修に少しでも役立てばうれしい」と力を貸して下さっています。

研修を受けた看護師も、「治療に関して質問に答えられなかったが、患者様の質問の中に患者が持っている答えがあることがわかった」

「ビデオを見て自分の声が小さいことや表情がきついことに気付いた」等の感想が出されました。

今後も元気な模擬患者さんにたちに励まされて、研修会を続けていきたいと思います。

人事教育部長 藤井幸代

コメント

  1. 藤井幸代 より:

     日向葵さん、メッセージをありがとうございました。ご自身の体験を教えていただき、励ましの言葉までいただいてありがとうございました。つらい経験をされたんですね。看護師は患者様の思いに寄り添いたいと思っていても、実際はとても難しいです。体験して初めてわかることも多く、どう声をかければいいのかわからず、しり込みをしたり不適切な対応になっています。私も振り返れば反省ばかりです。少しでも患者様の思いのそばにいる看護師になれるよう、研修を続けたいと思います。

  2. 向日葵 より:

    藤井さま

    告知を受けた時、私は「あ、私は死ぬんだな」って思いました。
    これまで漠然としていた『死』というものが、目の前にやってきたような気がしました。

    ええかっこしいの私は
    診断が確定するまで、しっかりした人でした。

    告知を受けた時も
    しっかりしなきゃ!これから治療が始まるんだから!…と自分を励まして落ち着いたフリをして診察室を出ました。

    帰ろうとしていた私を一人のナースが追いかけて来て

    「眠れなかったら言って下さいね。お薬出しますから」と、優しく声をかけてくれました。

    その一言で気持ちの張りが緩んで、誰もいない待ち合いでぼろぼろ泣いてしまいました。

    人前でなんか泣くもんか…って思ってたのに

    気持ちが楽になりました。

    泣いてもいいんだ…って思いました。

    今も『死』のイメージは私のそばにいます。

    でも、それは絶望ではなく希望になりました。

    いつか死ぬからこそ
    今、好きな人には、好きだと言おうと思いました。

    今、感謝している人には、ありがとうと言おうと思いました。

    現実を受け入れられない患者仲間には、大丈夫ですよと伝えて抱きしめようと思いました。

    いっぱい笑ってキレのいいツッコミを入れようと思いました。

    子供達に、かあさんみたいになりたいと言ってもらいたいと思いました。

    そんな風に考えられるようになったのは

    やはり

    信頼させてもらえる医療者の皆さんとの出会いでした。

    今回の記事を読ませていただいて、患者からは見えないところでお勉強を重ねていらっしゃる皆さんから勇気をいただきました。

    私も頑張ります。

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