ホスピス緩和ケア病棟では、亡くなったご家族の方が早い時期に病棟に寄って下さることが多いそうです。
先日も会計の時にも寄って下さった方が、初七日が終わった時にも顔を見せて下さいました。
入院当初は、ご主人が病気になった時に「自分を責めて誰かのせいにしないと気持ちが収まらなかった」とつらい気持ちを吐露して下さいましたが、ホスピス緩和ケア病棟で半年あまりを過ごされて亡くなる前には「これも神様が下さった時間」と穏やかに話していただいたそうです。
一般病棟では亡くなった患者様のご家族に外来でお会いしてお声をかけても、「病棟に行くのはまだつらい」とよくお聞きします。
治療の過程で患者様が苦しんだイメージを持っておられ、色々な後悔の中でまだ心の整理がつかないことが伺えます。
ホスピス緩和ケア病棟では、患者様が穏やかな時間を過ごされ、ご家族がゆっくりと患者様と向き合う中で悲嘆の軽減ができているのではないかと思います。
患者様が「そのひとらしく最期まで生き抜く」ことでご家族も納得した看取りになり、それがグリーフワークにつながっています
先日、来年度からの診療報酬の改定内容が発表されました。
緩和ケア病棟においても入院期間が30日まで、60日超、90日超で診療報酬に差が出ることになりました。
当院では今までどおりのスタイルを変えることはありませんが、全国的に行き場のない「がん難民」が増えないことを祈るばかりです。