避難所まわり

みんなの掲示板

今日は、避難所の様子をご紹介します。

医師と看護師でペアを組み、8名位のグループが5つ位結成され、それぞれ友の会の方や事務の職員の方と各避難所に分かれて訪問しました。

鎮痛剤と風邪薬、便秘薬、降圧剤、抗生物質等は、医師の指示のもと2日分無料で処方することが許可されていました。

ベビー用のオムツや脱水時のOS-1、インフルエンザの迅速キッドなどを持参し歩いて出発しました。

私は、午前と午後で3か所の避難所を回りました。

支援2日目は全員当直あけだったのですが、一緒に地域に行くことを希望された原田先生と高橋先生。

写真は、これから避難所で被災者の方のお話を聞くぞと張り切っているところです。院内でおいでるより輝いています。


塩釜地区は、一部を除いてほとんどは電気は復旧し、水道もとおったところもあったのですが、まだ復旧していないところは給水車の前に長い列ができていました。

学校では水洗トイレを流す水もなく、仮設トイレも壊れて使用できなかったりと本当に不便そうでした。

それでも食事の配給は温かいものではないですがきちんとされ、少しずつ昼間家に帰って片づけをしたり、見通しがついたご家族は避難所を引き上げている方もおいでました。

広い体育館や講堂にテレビが1台設置され、情報は入るようになっていました。

大型の暖房機が1台ありましたがすみずみまで温まるわけはなく、毛布だけでは夜は寒くて眠れないという方が多いようでした。

風邪を引いている方が多く、発熱していても気がついていない方もおいでました。

ストレスや寒さ、塩分の多い食事のために血圧が上がっている方、水のでないところではトイレに行かないようにと脱水や便秘の方も多いようでした。

慢性疾患を持っている方は、津波の後に流されて泥で汚れた薬を拾ってこられ「ないよりまし」と飲んでいる方や、残り少ないからと2日に1回の服用に抑えている方もおいでました。

「インスリンが明日でなくなるんや。坂病院に行ったらもらえるんやろうか」と相談され、処方外来のことを説明すると安心しておられました。

ぎりぎりで津波から逃れ、重い荷物を持って長い間歩いてやっとこの避難所にたどり着いたことを涙ながらにお話され、頸椎に異常を疑わせる方もおいでました。

肺気腫で気管支拡張薬のMDIがほしいが、とても遠い病院まで歩いていけないという方もいて、なんとかできないものかと思いました。

私たちを見て、ご自分から寄ってこられたり手招きして呼んでいただける方も多く、みなさんから「御苦労さまやね。ありがとうございます」と感謝の言葉をいただき「血圧を測ってもらっていたら安心する」と言われる方が少なくありませんでした。

「こんなんじゃ、身内が死んでも葬式もあげてあげれん」と言われた方もおいでましたが、「もんくを言ったら罰があたる。ここにいられるだけでも幸せと思わないと」と気丈におっしゃっられる方がほとんどでした。

避難所の集団の中にも自治が生まれ、みんなで助け合って生活されているようでした。


「頑張らんと」とあきらめない前向きな気持を持つことはとても重要です。

しかし、それにもストレスフルな環境の中では限界があります。

今日の新聞では、原発の影響で避難されている方も含めて避難者は26万人。

すべての被災者が仮設住宅に入れるようになるまで、相当な日数を要すると思います。

各地の避難所では、震災関連死の方がすでに37名でています。


香川でも義援金のお願いに毎日職員が交代で街頭に立って募金集めをしています。

1日も早く住みやすい環境を整え、復興できる日が早くくることを心から願ってやみません。


タイトルとURLをコピーしました