ホスピス緩和ケア病棟の工事が始まります

病院のできごと

今年7月のホスピス緩和ケア病棟開設に向けて、工事の準備が始まりました。

写真は、5階病棟のパイプの点検のために、4病棟の廊下の天井がはがされている様子です。

そんな中、病棟名が決まりました。「高松平和病院ホスピス緩和ケア病棟」です。

今日は、その名前の由来を橋本師長さんが職員向けニュースに書かれた文章を報告します。


皆さんは、ホスピスと緩和ケアの言葉の意味をご存知ですか?

ホスピスという言葉は、18世紀に修道女のマザーメアリエイケンヘッドがイギリスの植民地による弾圧を受け居場所を失ったアイルランドの人々の居場所を作るためにホームを作ったことがその始まりと言われています。

その後医師でありソーシャルワーカーでもあるシシリーソンダース女史が現代ホスピスの基礎を作り、がんの患者の最後の安息に満ちた時間をケアする場所として現代に繋がっています。

そしてその思想を日本に伝えたのは、国際報道写真家で戦場ジャーナリストの岡村昭彦氏です。

彼は戦場で死んでいく兵士や老人、飢餓に苦しむ子どもたちを、同情や憐みではなく、強者・権力者が切り捨てて人間扱いしない弱者を、どこまでも一人の人間として尊敬する礼儀として撮影し続けました。

ベトナム戦争で枯葉剤によるすさまじい遺伝子破塊が起こっている事実を知り、生命倫理について日本中を公演して廻り、いのちの平等を訴え続けた人です。

彼は日本にホスピスとその運動をどの様に定着させるかについて、単にホスピス=がん末期の人々が集まる病院・病棟という概念ではなく死の臨床は平等意識、ホスピスは人権運動であるという思いとともに、日本にホスピスという言葉を伝えようとしたそうです。

そして今回、高松平和病院にできるホスピス・緩和ケア病棟の理念にもこの思いが込められており、①患者さま・ご家族を含めたチーム医療、②過ごしたい時に過ごしたいところで居られるような地域ネットワークづくり、③人権を守り差別の無い平和な社会づくり、の3本柱を理念にあげています。

今回病棟名を考えるにあたり、敢えて「ホスピス緩和ケア病棟」という名前にしました。

これから私たちはこの病棟名に恥じないような病棟を作っていける様、頑張っていきたいと思っています』                      

ホスピス緩和ケア病棟準備室  橋本志衣

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