緩和ケア病棟では患者様との共有を大切に、その人らしく日々を過ごせることを大切にしています。
Aさんは痛みのコントロールを目的に入院されました。
背部の痛みは日々増強していました。
痛みが落ち着くと歩行器を使用し明るいラウンジへ行き、新聞を読んだり野球を観戦したりして過ごされていました。
Aさんの日々の目標は穏やかに過ごす事でした。
私に何ができるのかな、もっとできる事はないのかなとAさんと何度も話す機会を作りました。
しかし穏やかに過ごす、それ以上の返答はありませんでした。
Aさんはお風呂に入ること、甘いお菓子やパンが大好きです。
お風呂に入るとスッキリした表情で「あーありがとう。さっぱりしたわ、ありがとうな」と言ってくれました。
また売店にいき、甘いお菓子を購入すると「ついてきてくれてありがとう」とにっこりと笑顔を見せてくれました。
Aさんに「痛みはあるのにお風呂もはいれたんですね」また「甘いお菓子を売店まで買いに行こうと思えたんですね」とAさんが望む穏やかに過ごしたいという思いを大切に共に喜びを分かち合い過ごすことができました。
もっと何かをしてあげたいと思うことも必要ですが、大切に思っていることを共有することにより一緒に喜びあった時の笑顔はとても温かく私の心も穏やかになりました。
まだまだ「これからも穏やかに」を合言葉に一緒に過ごしていきましょうね。



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