新卒看護師さんは、患者様の立場を少しでも理解することができるよう今年も入院体験をしました。
毎年5月頃に実施していましたが、今年は夜勤自立するこの時期に変更しました。
以下新卒さんのレポートです。
「先日、入院体験をさせて頂きました。入院経験のあまりない私としては、ちょっとドキドキしていました。
今回は、心不全の70歳 女性という感じで自分なりに設定し、入院してみました。
まず、持続点滴から始めましたが、針を入れる時は痛みがあるけれど入ってしまえばなんともないと思っていました。しかし、漏れてもいないのに痛い感じと変な違和感があり、実際こんなに苦痛を感じるとは思っていませんでした。3時間程度の点滴でしたが、終わるまで何度も何度も残量を見てしまいました。患者様はこれを24時間何日もしているのかと思うと、なんだか申し訳なく思ってしまいました。
また、食事も治療のひとつです。野菜もお味噌汁も味が薄い!いつもの食事との違いが大きく、食べ慣れない味は美味しいという印象に繋がらず、工夫してくださった料理なのに、満足度に繋がらないのは体のことを考え計算した治療食ゆえ食べ慣れなれていないからなのかなと思いました。
他にも、心電図モニターや抑制体験、オムツ上排泄や車椅子体験等々、様々な体験で感じたのは、普段の自分が当たり前に過ごして選択していることが、こんなにも入院することで出来ないのだなと実感しました。
自分の発する音が周りに対して迷惑だと思うと、自由に音も出せない。好きなものを飲んだり食べたりできない。トイレやお風呂も自由に好きなだけ入ることもできません。
寒いな、暑いなも他の人がいたら勝手にエアコンを調節するわけにもいかず、イロイロと「不便だなぁ!!」と感じました。とは言え目を閉じると1分で寝てしまう私は案外よく眠れました。
今回の体験を通して、患者様の要望は〝わがまま“ではなく、ただただ普通に過ごすために私たちがやっていること、選択していることと同じなのだと実感しました。
これからは、少しでも患者様の希望に添えるようお手伝いさせていただきたいと思いました。貴重な体験をありがとうございました。」
すてきな感性ですよね。