「あったかいんだから~」5ストーリーズ最終回です。
病状が思わしくなく入院から1か月が経過した患者様が、「家に帰りたい」と訴えられました。
ドレーンが入った状態でもあり、医療者もご家族も患者様のご希望に添うのは難しいだろうという判断でした。
患者様もわかっておられたのか、元気のない状態でした。
ある時主治医が「家に帰るのは難しいけど、外出ならできる。どこか行きたいところはないですか?」と問いかけると、患者様は「海が見たい」とおっしゃられました。
離島から入院してこられていた患者様は、長年フェリーに乗って通院してこられていたので、海が見たいと思ったのだそうです。
ご家族は患者様の希望をかなえてあげたいけれど、病状が悪化しないか心配して躊躇されていました。
そこで主治医と看護師2名、担当セラピスト、ずっと関わってきたMSWも一緒に付き添うことになり、外出が実現できることになりました。
当日、ご家族の運転でフェリー乗り場まで行き、赤灯台の近くまで行って海を眺めてもらいました。
近くで咲いていた桜の花も見てもらうことができました。
「海が見られてすごくうれしい。気が晴れた」と喜んでいただくことができました。
帰院されてからも、スタッフに「よかった」と何度も言われ、家族で撮影した写真を眺めておられました。
外出して少し元気を取り戻された患者様は、次はご自宅への外泊を目標にリハビリを頑張っておられます。
この話を聞いて、患者様のご要望を聞いて忙しい中外出に同行して下さった原田先生、外出を計画し当日付き添ってくれたスタッフ、外出中留守を守ってくれていた4病棟のスタッフを誇りに思うと同時に、とっても心があったかくなりました。
「あったかいんだから~」5ストーリーズ、いかがだったでしょうか。
すべてここ1か月のうちにあった出来事です。
患者様のために頑張っているスタッフに、心からの「ありがとう」を贈りたいと思います。