ひさしぶりに紹介しますが、このシリーズの完結編です。
緩和ケア病棟では本人への病名の告知を原則としていますが、知る権利、知りたくない権利どちらも患者の権利です。
この自己決定権を保障するために、看護師には流動的に対応できる専門職としての知識、技術や自己の看護観、死生観が求められます。
患者様から「もう死ぬのかな」等の看護師には答えにくい質問をされた時、その問いから逃げ出すことなく患者の思いを傾聴する姿勢が必要になってきます。
「どうしてそう思われるのですか?」と、患者様自身が不安な気持ちを整理できる問いかけができるよう、スタッフは日々患者様と接しています。
緩和ケア病棟では、患者様が落ち着いて自分の意思決定をできるような環境を整え、自分たちのスキルを磨いてきました。
これまで紹介してきた患者の権利の視点を大切にすることで、患者自らが自分のことを知り、自分の終末期をどのように過ごしたいかを決定し、その人らしい時間の過ごし方を見出すことができてきます。
また看護師は「何かしてあげること」が看護であるという思いをぬぐい去り、主役は患者様とご家族であることを常に認識しながら、患者様と向き合うよう努力しています。
これからも一人ひとりの患者様に学びながら、チームで考えて行きます。