先日、緩和ケア病棟のスタッフからステキなことを聞いたのでご紹介します。
「癌終末期の病状に対して、医師や看護師は、もう何もしてあげられないと感じる時があります。
そんな時、「もうあなたのために出来る事が、我々には無くなった」という言動や態度は、患者と家族に絶望感や見捨てられ感をもたらします。
こんな説明を受けてホスピスに来る例は少なくありません。
緩和ケアのスタッフは、無力感を自覚しながらも恐れることなく、逃げ出さず、見捨てることなく、臨床の現場で「いのち」と向き合います。
ひとりひとりの「生命」が意味と目的を持っているとの信念が、緩和ケアスタッフを支えています。
その信念、すなわちホスピスマインドは、言葉だけでは伝わりにくく、行動や態度で伝える事が必要です。
ホスピスの母、シシリー・ソンダースの以下のメッセージから、緩和ケアの本質を感じ取って頂ければと思います。
~ あなたはあなたなのです。だから、あなたは大切な人です。 ~ 最期の瞬間まで、あなたは大切な人です。 ~ 私たちは、できることのすべてをいたします。 ~ あなたを心安らかな死へと送り出すだけでなく、 ~ あなたの死の瞬間まで「あなたが生きていくこと」を支援します。
~ ほんの少しでも共感して頂けたなら、あなたは緩和ケアに必要な人です。 」
写真は緩和ケア病棟に毎年飾られるお雛さま。
患者様とご家族をやさしく見守って下さっています。