「春のやわらかな光が差し込む日に、緩和ケア病棟のラウンジはいつもより少し賑やかな空気に包まれていました。
当院のラウンジには、四季折々の栗林公園や紫雲山の景色を眺め、楽しんでいただくための大きな窓があります。
先日、その大きな窓の向こうでは、色とりどりのウェアに身を包んだランナーたちが、“かがわマラソン2026”のフルマラソンを懸命に走り抜けていました。
普段は静かなラウンジも、この日ばかりは応援席となり、身を乗り出すように覗き込んだり、窓越しに手を振ったり、拍手をしたりとそれぞれの形でこのひとときを楽しまれていました。「一生に一回の良いものを見た」─ 色とりどりのウェアを着たランナーを見て「私も着たらよかった」─「走るのは無理でも、見ているだけで元気をもらえるね。また見たい」─ 患者様同士やスタッフとの間で自然と会話が生まれ、このひとときは痛みや息苦しさを忘れ、自然と笑みがこぼれていました。
走る人とそれを見守る人、直接交わることはなくても、同じ時間と空気を共有しているような、不思議な一体感がそこにはありました。
緩和ケア病棟での時間は、決して特別な出来事ばかりではありません。
しかし、こうした何気ない日常の中にこそ、心がふっと軽くなる瞬間や、誰かとつながる温もりがあります。
窓の外を走り抜けるランナーたちの姿は、患者様にとってひとつの「今を感じる景色」となり、穏やかな時間を運んできてくれました。
これからも、日々の中にある小さな喜びや季節の移ろいを大切にしながら、患者様一人ひとりの時間に寄り添ったケアをしていきたいと思います。」


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