新緑の眩しい季節となりました。
緩和ケア病棟の大きな窓からは紫雲山が眺望でき季節の移り変わりが感じられます。
今回は最近印象深かった、ある患者様の事をお話しします。
先日、退院される患者様が着るための服を娘様が用意されました。
大きな箱に入った服は韓国のチマチョゴリでした。
「着方が分からないと思うので」と、娘様が着付けを申し出てくれ、一緒に行いました。
深い青にピンクの花模様が入った生地で、バッグもおそろいでした。
色白の肌に深い青色がとても映えており綺麗でした。
娘様は、今は韓国にお住まいですが、患者様ご自身がとても韓国が好きでよく旅行にも行かれており「遊びに行けるから貴方が韓国に住みなさいよ」と言う一言がきっかけで住むことになったとお聞きし、驚きました。
お母様の好きが高じての素敵な親孝行だと感じました。
入院されると患者様の好きなことや日常的に行っていたことなどを本人や家族よりお聴きします。
生活歴などが伺い知れて、院内でも何かお手伝いできることは無いかとスタッフ同士で情報を共有したり検討したりします。
エンゼルケアの一環として思い入れのある衣装で退院したり、退院前に家族と共にシャワー浴を行ったりメイクを施したりします。
そうすると家族様は「寝ているみたいね」や「元気だったときのままだね」とお話ししてくださり、その場の空間が明るくなることがあります。
今後も、残される家族様と共に十分なお見送りができるよう努めてまいります。
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