「大切な人の最期の時にあなたはなんと言葉かけをしますか?」 緩和ケア日記

病棟の風景

私が受け持った患者さんは70歳代の男性で、入院期間中奥様と娘さんが面会に来ていました。

患者様からのリクエストのアイスやジュースなど食べられるものを持参されていましたが、残念ながら患者様は最期を迎える時が来てしまいました。

奥様は「〇〇さん、しんどかったね。これで楽になれるね。桜の花はもう見れないといわれていたのに桜の花まで見れて十分やね。」と声を掛けました。

私はその時なにか声をかけなければいけないと悩んだものの、結局何も声をかけられずに最期の時を迎えました。

どんなに仲がいい夫婦でも一緒には逝けません。
私は、残されるご家族がお別れに悔いや思いを残さないようにと望んでしまうのですが、最後に「ありがとう」や「感謝しています」という言葉が出てきてほしいなと思い込んでいたように思います。

でも人生の幕を下ろす時に伝える言葉はなんだっていいと感じました。
そんな当たり前のことを教えてくれた患者さん夫婦に出会えたことに感謝したいと思います。

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