「家の庭が見たい」最期の外出

あったかい看護

ホスピス緩和ケア病棟に入院していたある患者様は、とてもご自宅のお庭を大切にされていたそうです。

毎年ご自分でお手入れされていましたが、今年は他の方にお願いせざるを得ませんでした。

それを気にされていた患者様が「家の庭が見たい」というご希望を出され、ご家族も「大切にしていた庭をもう一度見せてやりたい」という思いを強くされ、外出されることになりました。

ご家族が早々に介護タクシーの手配をされ、当日医師と看護師も付き添いし、親せきの方もたくさん集まって来て下さいました。

久しぶりの青空のもとで、きれいに剪定された松などの庭木に患者様は目を細めていらっしゃいました。

患者様はこの日の翌日に眠るように旅立たれました。

ご家族に協力していただいたおかげで、機を逸せずに患者様のご希望を実現することができて本当によかったと思いました。

ホスピス緩和ケア病棟 吉川善人

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