ホスピス緩和ケア病棟OPENから2カ月が経過しました。
現在患者様は17名。毎日小さなドラマが起こっています。
Aさんは、元気な時は朝早くから自宅の畑で野菜を作ったりして過ごされていました。
現在身体の自由が利かないAさんにとっての楽しみは、食べること。
朝6時には看護師に「冷蔵庫のパンをとって、コーヒーを入れて下さい」と朝食が待てない様子。
そんなAさんの生活スタイルを看護師も支えてきました。
しかし、最近病状の進行と発熱で食事が食べられない日が出てきました。
Aさんにとって、食事を全部食べることは生きることへの希望。
看護師は、カンファレンスでAさんのその日の体調を見て食べきれる量に食事を調整しようと話あいました。
そんなある日、食事中に訪室すると、ニコニコと笑顔で「師長さん、みなさんによくしてもらっています。私知ってますねん。看護婦さんが、毎日食べられる量にご飯を調節してくれているの。気を使わしてしもうて。」とおっしゃられました。
実は、全部わかっていて知らん顔をしてくれていたようです。
スタッフと患者様、お互いの気持ちの温かさを感じてちょっと胸が熱くなりました。
ホスピス緩和ケア病棟師長 橋本志衣